マレーシアで生活をしていると、店舗の中、渋滞中の車の中など、街中の至る場所でスマートフォンを操作している人をよく見かけます。画面を覗き見すると、大抵の人がSNSや検索など、インターネットを利用しているように見えます。
実際のところ、現在マレーシアではどのくらいの人がどのようにインターネットを利用しているのでしょうか。その実態について調べました。
We Are Socialはイギリス・ロンドンが本拠地の世界各国に拠点を持つグローバルエージェンシーです。主にSNSコンサルティングなどを手掛けており、毎年世界各国のインターネット利用状況に関するボリュームあるレポートをWebサイト上で発表しています。
本記事ではこのレポートから内容を抜粋し(マレーシアは70ページから)、またイメージしやすいように、日本の状況との比較を交えながら(またときにお隣の国・タイの状況との比較もしながら)、マレーシアのインターネット利用状況についてお伝えします。
2018年1月時点でのマレーシアのインターネット利用率は人口の79%、人数にすると2,508万人になります。2017年1月時点の利用率は人口の71%、2,200万人だったため、1年間で約14%増加しています。
対して日本のインターネット利用率は人口の93%(増加率は前年比0.6%)で高水準が続いていますが、マレーシアはこの状態に近付いてきていると言えます。
インターネットと一言で言ってもスマートフォンやPC、タブレット、ウェアラブルデバイスなど様々なデバイスで利用できますが、実際にどのデバイスが利用されているのでしょうか。
マレーシアは、PCよりスマートフォンの利用率が高いです。日本では逆で、スマートフォンよりもPCの利用率が高く、またスマートフォンの利用率は日本よりもマレーシアの方が高いです。日本ではPCからじわじわと、マレーシアではスマートフォンから一気にインターネットが広がったことが分かります。
マレーシアの人々は、1日のうち8時間半インターネットを利用しています。24時間のうち睡眠を7時間、起きている時間を17時間とすると、起きている時間の半分をインターネットに費やしていることになります。またそのうちの約3割の3時間をSNSが占めており、テレビを観ている時間を超えています。ストリーミング型の音楽配信サービスの利用も多いことが分かります。
対して日本はどの項目もマレーシアより少ないです。
日本でも色々な場所でスマートフォンを操作する人を見かけるためインターネットの利用時間は多いように見えますが、こうして数字で比べると、いかにマレーシアの人々がインターネットのヘビーユーザーであるかが分かります。
インターネット上のトラフィックのデバイス別シェアも、マレーシアと日本で異なる傾向があります。
マレーシアでは全トラフィックの約4割がPC、6割がスマートフォンです。意外とPCの割合が多いと感じました。(タイでは約3割がPC、7割がスマートフォンです)
日本ではPC7対スマートフォン3になります。マレーシアではスマホ・PC両方からのアクセスを想定して設計されたプラットフォームが重要と言えます。
マレーシアのSNSユーザー数は2,400万人で、人口の75%です。冒頭でご紹介したインターネット利用者数が2,508万人であるため、そのうちの96%がSNSを利用していることになります。
日本では総人口の多さから、SNSユーザー数自体はマレーシアの約3倍の7,100万人ですが、これは人口の56%、インターネット利用者の60%になり、SNSの利用率はマレーシアよりも低いと言えます。
よく利用されているSNSは、FacebookやYoutube、Instagramなど世界的にメジャーなものが、マレーシアと日本双方で上位にランクインされています。Whatsappはマレーシアならではですね。
日本ではTwitterがFacebookよりも上位にランクインしており、Twitterの強さが見えます。LINEは日本・タイで上位にランクインしていますが、マレーシアではあまり浸透していません。
マレーシアの月間Facebookアクティブユーザーは2,400万人で、これはマレーシアのSNSユーザー数と同じです。つまりマレーシアのSNSユーザーイコールFacebookユーザーと言えます。(タイも同じ傾向があります)
日本のFacebookアクティブユーザー数はマレーシアよりは多いですが、利用率はマレーシアよりは低いです。
Facebookユーザーの年齢別内訳です。マレーシアは10代後半~30代前半の若者が最大ボリュームゾーンで、40代以降になると一気に少なくなります。(タイも同じ傾向です)
日本のボリュームゾーンはマレーシアより少し後ろで、20代中盤~50代まで幅広い世代が利用しています。
InstagramもFacebookと同様に、マレーシアのほうが日本よりも浸透していると言えます。マレーシアでは人口の35%、約1,100万人がInstagramのアクティブユーザーです。
一方で日本のInstagramアクティブユーザー数は人口の17%の2,200万人と、人数こそマレーシアの2倍ですが、人口の17%と浸透率はマレーシアよりも低いです。
日本やタイとの比較を通して、マレーシアのインターネット利用状況について一部ですがご紹介させて頂きました。本レポート には他にも興味深いスライドがあるので、ぜひご覧ください。
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